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松山製菓:番外編 (会社のうらばなしと名古屋の駄菓子に関するあれこれ・昭和時代の生活の備忘録)

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中日新聞の特集連載記事「飽食の裏側」についてー食品流通の「3分の1ルール」について

   

中日新聞で、今朝の朝刊まで3回にわたって「飽食の裏側」という特集が連載されていました。

産廃業者ダイコー&食品問屋みのりフーズのタッグによる廃棄カツ横流し事件についての検証記事ですが、その2回め=中編で、フードバンクの紹介がありました。 食品関連業者からの協力で廃棄される食品のうち正常品を再利用してボランティア利用する仕組みです。

いわく、年間の廃棄食品2800万トンのうち、まだ食べられる食品が642万トンもあるのだが、フードバンクで再利用されているのはわずか6千トンにしかならない、とのこと。

その廃棄食品2800万トンのうち、業務用で規格外・返品・売れ残り等で廃棄される部分が331万トンもあるらしいのだが、この記事内では、食品業界の悪しき習慣「3分の1ルール」についても言及されている。

例えば賞味期限6ヶ月の場合、納品できるのは製造からわずか二ヶ月間。小売店に並んでも、さらに3分の1が過ぎると、撤去か廃棄される。

これについて、食品流通科学の専門家のコメント

「賞味期限や納品期限が短いと、食品メーカーは新たな注文を見込みやすい。 売上を増やしたい企業の論理が食品ロスを生む」

ぜんぜん違う。

メーカーのせいにするなヨ。

ちょっと理屈を考えるとわかるのだが、たとえば2ヶ月ごとに新たな注文を見込んで2万個ずつ製造するのと、6ヶ月分の需要を見込んで6万個一度に製造するのとでは、納期管理や製造&仕入計画やらを考えれば、メーカーにとってどちらがありがたいか。

そもそも、この「3分の1ルール」は、大手スーパー・量販店が中間卸業者やメーカーに対して要求して始まったルールであって、メーカーにとっては何のメリットもない。問屋自体もメーカーに対してこれを要求するので、メーカーでは製造数量の管理がシビアになるし、在庫処分のリスクも高くなるし、場合によっては、メーカーにまで返品が来たりする。 力関係が完全に上からの者が押し付けてきたルールなのです。

ちなみに、アメリカでは2分の1ルール、イギリスでは4分の3ルールが慣習のようで、日本では、こと「食」については、この事例にかぎらず、世界一うるさい。

加工食品については、生鮮食品と違って「鮮度」はそれほどたいした付加価値となりません。 最終消費者が、スーパーやディスカウントなどで、これら賞味期限がせまった「見切り品」を安値だからと喜んで買うのを見ればわかる。

新聞記事は、取材時のコメントと結構違うことを載せたりする場合もあるらしいが、かりにこの記事の通りのコメントだとすると、この専門家の人は、流通側のポジションの人なんだな。

ちなみに、我々が、食品原料メーカーから仕入れる際、食品原料メーカーのほうでは、原料の賞味期限(=使用期限)が1年のものだとすると、残り期限が2ヶ月でも納品してくる。

名古屋は駄菓子発祥の地とかもてはやされるけど、元気のいいのは原料を取扱う業界のほうで、メーカーは、どちらかというと川上・川下の板挟みとなって元気がない。

 

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